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巨大ブラックホールと宇宙

巨大ブラックホールと宇宙

高校生以上の一般向きです。
銀河の中心に潜む、太陽の100万倍から10億倍もの質量の巨大ブラックホールの
解説。

いわゆる「買い占め」についての世の中の誤解

東京では「買い占め」が起こっているそうだ。
スーパーもコンビニも棚がすっからかん、だそうだ。
鹿児島はまったく平和なので想像もつかないけど。


それで、「買い占めはいかん!」とか「モラルの低下だ!」だの、
うちは大家族なんです〜(;_;)」と周囲からいじめられたお母さんの報告とか、
はては「これだからオイルショック世代は」、とかTwitterなんかで騒がれ、
官房長官まで「買い占めはしないでください」と言ったとか。


これ、ちょっと誤解なんだよねー。物理学の言葉を使えば、今回の現象は、

安定な平衡点にあった店の在庫が、不安定平衡点に変わった結果、不安定性が非線形成長してしまった

と言うことができる。


なんのこっちゃかわからない人が大多数だと思うので(プロな人は読み飛ばしてください)、
簡単に噛み砕いてみる。

(注 以下は、現象をできるだけ単純化して本質を理解しようという物理屋「サガ」による考察なので、
実際はもっと複雑だとか、いや、実際に大量に買い占めてる人がいるんだ、とかいう反論はあるでしょう。


どんなお店も普段は、在庫をできるだけ減らすために、商品の売り上げを見ながら仕入れを調整する。
なので、ある商品、たとえば牛乳の売り上げが増えそうだと予測できたり、
棚の牛乳が少し減ったら、仕入れを増やす。逆に売れ残りが増えたら仕入れを調整する。


その結果、棚の商品はそんなに変動しないで、いつも物が潤沢にある状態に落ち着く。
これが「安定平衡点
「平衡」というのは「バランス」ということで、この場合は売り上げと仕入れが同じということ。


ところで、バランスがとれていても「不安定」という状態がある。
たとえば、凸凹な床があって、凸の部分に乗っかったパチンコ玉、みたいな状態。
ちょっと突っつくと、すぐ転がってしまう。
一方、凹部分の玉は、ちょっと突っついてもまた元の場所に戻る。
凹が深ければ、より元の場所に戻りやすい。
ここで、ミソは、「パチンコ玉の性質は何も変わらなくても凸凹次第で結果は変わってしまう
ということだ。


普段のスーパーは、この凹状態なわけだ。



さて、こういう大災害が起こって、TVが危機感をあおるような報道ばかりしていると、
これが、凸状態
に変わってしまう。


そうすると、何が起きるか。


たとえば、普段なら牛乳パックを2本、買い物かごにいれる人が、「ちょっと多めに買っておこう」と3本いれたとする。
パチンコ玉の例で言えば、「少し突っつく」ことに相当する。


で、そういう人が「いつもよりもやや増えた」結果、
牛乳コーナーの平衡が崩れて、いつもよりも「見た目スカスカ」な棚になったとする。


そうすると、他のお客さんは、「あ、やばい、牛乳が不足気味?」とか思って、
いつもよりも「やや多め」に買ってしまう。
 (まあ、中には10本も買う人もいるかもしれないけど、そういう人は最初のうちはごく少数のはず)


こういうのが繰り返されると、牛乳コーナーがスッカラカンになってしまう。

これが「不安定性の非線形成長」

パチンコ玉の例で言えば、元あった場所から、ぜんぜん違うところに転がってしまった状態


で、それを見たお客さんが「他の商品もなくなってしまうかも」と思って、
パンも少し多めに買ってしまう。

.....


結果、パンコーナーもすっからかん、となる。これを繰り返すと、あっという間に、
店中がすっからかん、となってしまう。


これが、「買い占め」の物理。


ここでのポイントは、全部のお客さんが普段1本しか牛乳を買わないところを10本買う、とかいう
極端なことをしなくても、店がスッカラカンになりうる、ことだ。


おそらく、買い占め現象の最初のうちは、上のように、お客さんの行動は普段とそれほど
変わっていない
はずだ。ましてはモラルが変わったわけでもない


しかし、TVでスッカラカンになった店の映像や、官房長官が「買い占めを止めてください!」なんて
言うと、ますます危機感が煽られて、牛乳3本が5本になったりする。
その結果は、言うまでもないだろう。


さて、では、不安定にさせないにはどうしたらよいのだろう?


まずは、「仕入れ」を増やす。これはパチンコ玉の例で言えば、凸凹の凹を深くすることに相当する。
そうすると、凹にはまったパチンコ玉は、ちょっと突っついたくらいでは転がらなくなる。
在庫が安定するわけだ。


もう一つは、「非線形成長を止める」こと。

非線形な現象というのは、いいかえると「フィードバック」がある、ということ。
店の話で言えば、「いつもよりも少しスカスカになった棚」を見て、「自分もたくさん買わなくては」とお客さんが
いつもと少し違う行動に走ること。


つまり、TVなんかで「たった1軒の店のパンコーナーが空っぽになっているシーン」を放送する、というのが
まさにフィードバックだ。それを見た人の行動を変えてしまう。


だから、「買い占め現象」を止めたければ、政府は記者会見なんてしては駄目なわけだ。

また、お店のオーナーや、コンビニチェーンの偉い人は、そういう兆候をキャッチしたら、

「その地域の物流を増やして、店の在庫が増える」ように 「密か」に行動しないといけない。

密かにしないと、フィードバックがかかってしまう。
最初のうちなら、もとの安定な状態に戻すにはたいした労力はいらない。


ただし、一旦、全体で「不安定が非線形成長」してしまったら、それは大変だ。
それがいまの状態こうなってしまっては手遅れ

志津川町

阪神淡路のときは札幌にいて、千歳空港で衝撃の映像を見たのだが、
どこか他の国のできごとのように感じた。道産子には関西は心理的に遠い。
今回は、学生時代に仙台に住んでいたこともあり、良く見知った地名を
見るたびに何とも言いようのない思いが募る。


1985年の夏休み、仙台から札幌までツーリングした。もちろん、自転車で。
もう、26年も前だが、三陸海岸のつらさはいまでも覚えている。
延々と続く入り江と集落、その間の峠。途中で2泊して、3日目にようやく抜けた。

片倉シルクのキャンピング車に、なぜか前後輪4つもバックをつけて、早朝、仙台の
大学の寮を出発。塩竈あたりでバッグを路肩にひっかけて転倒、
あやうくダンプに轢かれそうになったりしながら、
石巻、女川を過ぎて、三陸リアス式海岸へ。
しかし、20kg以上の車重での初のロングツーリングで完全にへろへろになり、
12時間走ってようやくたどり着いたのが、「志津川町」。
町村合併で、今の「南三陸町」である。


気仙沼まで行くつもりが、まったく無理で、その辺にテントを張ろうと、
近くの小学校(だったはず)に行く。


しかーし、テントのつもりで持ってきたのは、なんと「フライシート」(テントの雨よけ)(;_;)
しょうがないので、小学校の軒先でフライシートに包まって、野宿。
今なら、完全に不審者だ。


あのときの記憶が蘇った。あの町は一瞬にして完全に津波に破壊され、
数1000人が今も行方不明だという。。。


いつかまた、あのルートをロードバイクで走り抜けようと思っていたのだが、まさか
こういう形で町の風景を見るとは。。。

ハイテク体重計、ファーストインプレ

こういうものには、すこぶる弱い。ネット対応な体重計。

f:id:nupuri:20110206145505p:image

体重計のくせに、送料込みで19000円近くするが、
衝動的にぽちってしまって、届いてから2週間たったので、インプレなぞ。


とりあえず、外観はガラス製で薄っぺらく、まさにでかいiPad である。

フランス製だったかな、とてもかっこ良い。


設定は苦労した。まずマニュアルは何もついてこない。Webにアクセスしてそこを参照しろ、とのこと。
ウィザードは不親切で、おまけに直訳したのか、日本語が変。英語モードの方がまだまし。

ネット上に写真付きでユーザが解説した記事がいくつかあるので、そういうのを参照した方がよい。

必需品は、Wifiルータ。うちは、AirMac Expressを使っている。

注意としては、802.11n (5GHz)はサポートしていない。802.11n(g/a互換)を選択すること。


で、さっそく使ってみたのだが、最初、数日、動作が非常に不安定だった
体重計に乗っかっても、うんともすんとも言わないことがあったり(ちなみに正常でも一切音はでない)、
体重表示がめちゃくちゃだったり、体脂肪がでなかったり。

Helpのページには、掲示板(英語)があって、たくさんのトラブルが報告されていた。

中には同じ症状のも。去年の夏くらいだから、それから製品が改善していないか。
こりゃ、だめだ、カスタマーサービスに電話して返品か、と思っていたら、


なぜか、数日後から安定して動作しだした
まったく、謎???
さすが、フランス製。


想像だが、4つの脚に仕込まれているセンサーが機械的に接触不良で、乗っかっているうちに、
いい具合に接触しだしたのではないか?

さすが、フランス製(笑


一度、ちゃんと動作するようになると、とても快適。
音もなく、体重、体脂肪、BMIを30秒くらいで表示して、それがユーザホームページ(初期設定でつくる)に
転送される。

iPadにもアプリがあるので、グラフもみれるが、2週間の測定のホームページのグラフが以下。

f:id:nupuri:20110206145351p:image:w500


うちには、体重が10kgくらい違う人がいるのだが、自動的に認識して別のグラフをつくってくれる。


不満としては、このグラフ機能が弱いこと。

なかでも縦軸の目盛りを変えられないのは致命的。


線形のグラフは、0点から表示させなくてはならない


のが基本なのだが (理由は、「杉本大一郎 使える数理リテラシー 4章」 でもご覧ください)


そうそう、この体重計は、Twitterにもつぶやいてくれる。

ちゃんと使えていたが、他人に体重をお知らせする必要もないので(ダイエット目的にはよいかも)、
今はOFFにしてある。


製品の品質管理と設定さえ問題がなければ、よい製品なのに。

新酒、到着!

最近、お酒があまり欲しくなくなってきたのですが、
これだけは別です。

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尊敬する信州大町の"師匠"が杜氏として
つくる北安大國の地酒。大町駅近くのとても小さな酒蔵です。
新米杜氏の酒蔵日記 


師匠(とみんなに呼ばれている)は、杜氏としては超若手の40代ですが、
チームZouzoubanaのメンバーでもあり、サブスリーランナーでもあり、
トレイルランも超人的に速い、とんでもなくタフな方です。

2008年には一緒にラルプデュエズ周辺を(自転車で)走り回りました。


昨晩、しぼったばかりの新酒が届いたので、さっそくいただきました。

今回は純米酒。やや甘口の濃厚な味です。新潟の酒のようなさらりとした辛口が好きな方は
苦手かもしれませんが、僕は日本酒はこっちの方が断然すきだなあ。
辛いのが好きなら、ワインとか焼酎とか泡盛とか別の酒を飲めばよい。
吟醸酒はもっと辛口だけど、香りがどぎつくなくて、これもいい。


最近、いくつか賞ももらっているようで、辛口酒ばかりもてはやされていた時代から
変わってきたのかな。

でも、あまりメジャーになって欲しくないなあ。勝手ながら(^^;;

続・仕分け

ローカルなラジオを聞いていたら、
スパコン事業も予算停止だってねえ。
財務省の役人が何がわかるんでしょうね。
世界一、目指したらいいじゃないですか!」
みたいな、コメントをしていた。

うーん、みなさん、「そうだよな」って思いました?
マスコミのフィルターがかかると、実体がいかに世間に伝わっていないか、
ってことですよね。
本当のことをよく知っている人(=専門家)は、利害にかかわるから
口をつぐむだろうし、世間に伝わることは事実とはかけ離れる。
マスコミのみなさんは、せめて関係する審議会とかの
議事録を目を通して、報道してほしいですね。
もうずっと前から、いろいろと専門家によって議論されています。

「次世代スパコンプロジェクト」は、もはや本来の目的の一つ、
「世界一」を達成するのは無理で(これを目的にしたことが、そもそもの間違いなのだが)、
関係する企業への「公的資金投入」に近いものがあると思います。
それが必ずしも悪いことではないかもしれないけど
(新しい要素技術とか生まれるかもしれないし)、
資金投入された企業のひとつが撤退したことを考えれば、
他にもっとよい使い道を考えた方がよい、
ということになると思います。